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日本のパスポートと北斎の「冨嶽三十六景」

手元に日本のパスポートがあったら、査証欄のページを開いてみてください。地の模様に、葛飾北斎の揃物「冨嶽三十六景」が刷り込まれています。2020年2月から発行されているデザインで、見開き2ページごとに1図、10年用のパスポートで24図、5年用で16図が使われています。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

査証欄の富士

査証欄は、出入国のときに審査のスタンプが押されるページです。ページをめくるたびに、別の場所から見た富士が出てきます。そのなかには「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」も含まれています。

このデザインは、偽造を防ぐための対策を強めるのにあわせて採り入れられました。図柄には、世界文化遺産の富士山を描いた浮世絵の代表作として、「冨嶽三十六景」が選ばれています。

「冨嶽三十六景」とは

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」

「冨嶽三十六景」は、北斎が70歳を過ぎたころに手がけた風景版画の揃物で、各地から望んだ富士を描いています。

各地から見た富士を、季節や天気、そこで暮らし働く人々の姿とあわせて描いています。なかでも「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」がよく知られています。広まり始めたばかりの輸入顔料、ベロ藍を生かした青も人目を引きました。

千円札の「神奈川沖浪裏」

北斎の富士は、パスポートのほかにも身近なところに登場しています。2024年7月に発行が始まった千円札の裏面にも、「神奈川沖浪裏」が使われています。

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